2020/07/10
供花・供物の贈り方
通夜や葬儀では、さまざまな形で弔意を示します。式場に実際に足を運んでお焼香をする「弔問」や、金品を包んで故人に供える「香典」などが代表的ですが、このほかにも、供花や供物をお供えするという方法もあります。供花や供物とはどういったものなのか、どのように申し込んで贈ればよいのかをまとめました。
1.供花とは
供花とは、祭壇脇に飾られるスタンド花のことです。それぞれの花に差し出した人の名前を書いた札を立てます。
祭壇脇に飾られたお花は、最期は柩の中に納めて故人様を囲んであげます。種類や金額は葬儀によって異なるため、遺族や葬儀社に問い合わせましょう。
花は白が基調のものが多いのですが、最近では菊だけでなく、洋花も一般化してきました。10,000円から20,000円が相場ですが、遺族の希望に合わせて金額や花の種類を統一していることもあります。事前に確認しましょう。
お花を出した人の名前の立て札を直接供花に立てるのではなく、別の場所に設置した芳名板でまとめて掲げることもあります。
また、供花を祭壇脇に個別に供えるのではなく花祭壇に充当するなど、供花の飾り方にもさまざまなケースがあります。
2.供物の申込
供物とは、果物や缶詰を専用の籠に詰め合わせたものです。これも祭壇脇に並べて供えます。
供花の場合はお花を切って棺の中に納めますが、供物は果物や缶詰などを分けて、参列した親族などに配ります。
「供えたものを養う」と書いて供養と読みますので、お下がりとして持ち帰ってもらうのです。
3.花環
式場の外に並べて飾る花環も、遺族や葬儀社に申し込みます。
ただし、最近では家族葬が増えて葬儀が小規模化していることと、対外的に葬儀を知らせる必要がないため、花環を贈る人は減少しています。中には花環の飾りつけを禁止している式場もあります。
4.供花や供物を自分で持参しても構わない
故人様へのお供えを自身で持参しても構いません。お供え者に選ばれるものに、食べ物やお線香などがありますが、これらは祭壇周りに供えてもらえます。
お花のお供えも、アレンジメントを持参しても構いませんし、自身の知っている生花店にスタンド花を依頼しても構いません。
ただし、祭壇の両脇にさまざまな人からの供花が並び、その多くは施行葬儀社を通して手配されます。生花店が異なると、必然的にお花の仕上がりも変わってきます。他のお花とのバランスや調和を考えると、葬儀社に依頼する方が無難でしょう。
自宅へのお供えも可能です。供花は葬儀会館に贈るだけではではなく、自宅に届けることもできます。
自宅へのお供えは、枕飾りや骨飾りなど、自宅用祭壇の脇に供えるお花になるため、アレンジメントが望ましいでしょう。また、食べ物や飲み物、お線香などもお供えの品物に選ばれています。
5.注文の方法
供花や供物は、施行葬儀社に依頼します。自身が直接生花店や青果店に注文して、式場まで届けてもらう方法もありますが、祭壇や他の供花とのバランスや兼ね合いを考えると、葬儀社に依頼するのが望ましいでしょう。
依頼は、電話やファックスを通じて行います。葬儀社によってはインターネットからの依頼も可能です。葬儀社へは次に挙げることを伝えなければなりません。
1)供花や供物を出す先の喪家名(○○家)と喪主名
誰の葬儀に供花や供物を贈るのかを伝えましょう。
喪家名や喪主名を伝えることで、他の斎場への誤配送時がないようにします。
2)送り主の氏名、住所、電話番号
連絡先、あるいは請求書の送付先として伝えます。
3)札名
供花や供物に立てる札の名前を伝えます。
間違えを防止するために、FAXやメールでのやりとりが望ましいでしょう。
4)金額
供花や供物は、10,000円、15,000円、20,000円、30,000円など、ボリュームや内容によってさまざまな価格帯のものが用意されています。
どの金額のものを選ぶかは送り主の自由ですが、相場は10,000円から20,000円でしょう。また、式場内の統一感を出すために、予め商品を決めている場合もあります。
5)支払い方法
支払い方法は次の3つがあります。最も都合がいい方法を選びましょう。
●式場での現金支払い
●銀行振り込み
●クレジットカード決済