2020/06/18
最後に入る家「棺」のマナー! 入れていいものとは?
本日は、「葬儀棺のマナー」に関するお話を掲載します。故人が最後に入るおやしろが棺(ひつぎ)です。最後の家でもあるので、故人らしいものを仕立てたいと思うのが人情。「きれいな花に囲まれた姿」が見られるような「透明な棺」や環境に優しい見た目は木ですが、素材は「段ボール棺」なども登場しています。
1.棺の種類と料金の目安
伊丹十三監督の映画「お葬式」に登場した洋風の布張り棺から、全ての面に彫刻を施した最高級檜など棺には種類がたくさんあります。
棺は、祭壇と並んで葬儀費用の中心です。
種類と料金の目安を見てみましょう。
●桐棺…シンプルなものから凝ったデザインの彫刻を施したものまで幅広くあります。
料金目安:5万円~40万円
●布張棺…温もりや、柔らかさを感じさせてくれます。故人がお好きな色合いやデザインに合わせたいものです。
料金目安:7万円~40万円
●エンバー棺…エンバーミングを施したときに入られます。故人とのより良いご対面を考えて作られています。
料金目安:15万円~40万円
●エコ棺…強化段ボールと合成版で作られた環境に優しい棺。木材と見分けがつかないほどです。
料金目安:5万円~20万円
●天然木棺…天然の桐・樅(もみ)・檜(ひのき)を素材に割れ目や節目がないように作られた最高級品です。最高品質だけが持つ、気品があふれます。
料金目安:30万円~300万円
●キリスト式棺…キリスト教式にふさわしい棺です。黒や白一色に十字架などが入ったシンプル棺が一般的です。
料金目安:10万円前後
●海外輸送棺…飛行機で無事に帰ってこられるように厳重に作られています。諸外国の基準をクリアできた棺が必要です。※別途輸送費・手続きが必要です。
料金目安:50万円~80万円
●子供棺…可愛らしいお花や動物のデザインをあしらったものがあります。親御様の想いが入った棺です。
料金目安:5万円~10万円
2.棺に入れていいもの、入れるもの
棺は遺骨の形を残しますので、燃えにくいものや燃やすと有害物質が発生する物は入れません。
金属、ガラス、陶器、分厚い本にビニール製品、プラスチック製品、缶詰など密閉されているも入れてはいけません。
また、故人が好きだった果物を入れる場合はカットをして、少量にします。
メロン、スイカなど大きな果物やりんご、オレンジなどの水分の多い食べ物は燃焼の妨げになります。火葬の時間が余分にかかり、納骨のさいに灰が邪魔になります。
故人が愛用していた、メガネ、釣り竿(カーボン)やゴルフクラブ(金属)も入れられません。
希望があれば、蝋(ろう)で作られた模造品が準備できないか葬儀社に相談してください。
そして、生きている人の写真を入れてはいけないとされています。一緒にあの世に呼ばれると言われ、縁起が悪いとされています。
入れるもの(副葬品)は、故人の好きだったものが入れられない場合は、蝋や木、紙で作った模造品。
副葬品の日本酒、化粧品などもよく棺に入れられます。
また、故人への想いを素直に書き上げた手紙もいいでしょう。
これまで伝えることのできなかった、感謝の気持ちやお礼などを書き綴った手紙は、あの世で喜ばれることでしょう。