2020/05/17
お寺のお坊さんはどうして木魚をたたいてお経をあげるのか?
お寺のお坊さんがポクポクたたく、あの木魚。じっと聞いていると、なんだか癒やされる気持ちになりますよね。お坊さんは、どうして木魚をたたいてお経をあげるのでしょうか。癒やしのため?それとも他に理由が?お経をあげるときに木魚をたたく理由を調べてみました。
1.昔、平たい魚の形をしていた
木魚、というと丸っこくてまん中に空洞がある、木製の鈴のような形のものを思い浮かべると思いますが、この木魚、昔は本物の魚をかたどった平べったい形をしていました。
この平べったい形をしていた木魚は鐘を打ち鳴らすときのように、起床の合図、集合の合図、食事の合図など何かを知らせるために音を出す道具として使われていました。
そこからなぜ今の木魚の形になったのかというと、お経を唱えるときにリズムをとる必要があったためだと言われています。なぜお経にリズムをとる必要があったのでしょうか?
2.お経を読んでいる途中に、眠くなるお坊さんが多かった?
木魚がお経を唱えるときに使われるようになった理由はいくつか説があります。
その中で一番有名なのが「お坊さんの眠気覚ましのために、必要だったのでは?」という説です。なぜならもともと木魚の元となった道具に使われていた「魚」のモチーフには、「昼夜目を開けて過ごす魚のように、怠けず修行に励みなさい」という意味が込められていたからです。
もしかすると昔は修業中に眠くなるお坊さんが多かったので、眠気覚ましのために「魚」にあやかり、木魚で音を鳴らしていたのかもしれませんね。
3.木魚をたたくと、煩悩がなくなる?
また木魚をたたく理由として、もうひとつ有名なのが「木魚をたたくことで、煩悩を吐き出させる」という説です。
木魚の原型である、平べったい形の音を出す道具は、そのままの「魚の姿」がかたどられていたのですが、その魚の口の部分には玉があしらわれていました。
この玉は「煩悩の珠」と呼ばれ、魚をかたどった道具をたたくことで煩悩をはきださせるという意味もあったのだとか。
そのため木魚にも同じように、それをたたくことで「煩悩をはきださせる」という意味があると言われています。
木魚のポクポクという音を聞いていると心が静まり、とても神聖な気持ちになりますよね。
この静かな気持ちになる木魚の音は、昔から積み重ねられてきたお坊さんたちの「修行を乗り切る知恵」から出てきた音なのかもしれません。
お寺に行ったときは、ぜひその音に耳をすませてみてはいかがでしょうか?
4.本記事のまとめ
いかがでしたでしょうか?今回は「木魚」にスポットを当ててコラムを書いてみました。お坊さんは、どうして木魚をたたいてお経をあげるのかお分かりいただけたと思います。
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