ご納棺 | 葬儀の流れ | 葬儀の基礎知識 - 花葬


ご納棺

葬儀までの間、病院などから搬送したご遺体をご自宅や安置所で大切にご安置します。その際に、ご遺体をお棺に納めてご安置するのですが、その前に故人様のお体をお清めする「湯灌(ゆかん)」を行います。葬儀ではご遺族や会葬者の皆さんと最期のお別れをする訳ですが、それにあたって「湯灌(ゆかん)」を行うのです。

「湯灌(ゆかん)」は、「湯灌師」という専門スタッフが担当します。故人様をご葬儀に送り出す前に故人様のお体を綺麗に清拭(せいしき)し、お化粧やお着替えを行い、あの世に旅立つための身なりを整えます。

ここでは、「湯灌(湯灌)」と「納棺」の流れについて詳しく解説します。

1.湯灌(ゆかん)について

「湯灌(ゆかん)」は、「湯灌の儀」とも呼ばれ、葬儀を迎えるに当たって故人様の身支度を整える儀式です。具体的には、故人様のお体を綺麗に清拭(せいしき、お体を洗う行為です)し、お化粧やお着替えを行い、身なりを整えます。

 

2008年に本木雅弘さん主演で「おくりびと」という映画が公開されましたが、この映画の主人公がやっていたのが、ご遺体をお棺に納める「納棺師」という仕事です。「湯灌の儀」と呼ばれる儀式だけあって、単に故人様のお体を綺麗にして身支度をするだけではなく、生前の煩悩や悩みの感情を洗い流し、来世も無事に生まれ変われるようにという願いが込められています。

2.湯灌から納棺までの流れ

1)湯灌(ゆかん)の準備

湯灌(ゆかん)は介護などで利用される簡易浴槽でお体を洗うか、ご自宅の間取りなどの理由で簡易浴槽を使用出来ない場合などは、湯灌の代わりに清拭(せいしき、綺麗に拭き清める行為)が行われることがあります。

 

ご安置している故人様のお体の硬直をほぐしながら肌の露出を避けるために布などでお体を覆いながら湯灌や清拭を行います。

2)お着替えとお化粧

湯灌や清拭によって故人様のお体を清めたら、髭や産毛を剃り、お化粧を施していきます。可能な限り安らかで、生前の面影に近くなるようにお化粧以外にも含み綿などを施す場合もあります。お化粧が終わるとお着換え(死装束へのお着換えか、故人様が生前にご愛用されていたお洋服でも可能です)をしてお棺に納めます。

 

その際、お棺の中に故人様が生前に愛用された品々を入れることが出来ます。ただし、お棺の中に入れられない物品もありますので、後述する「お棺の中に入れられる副葬品」の項目をご参照ください。

3)エンゼルケアとの違い

病院でお亡くなりになられた場合は、病院の看護師が一時的に「エンゼルケア」を施してくれます。看護師が施してくれる「エンゼルケア」は、「納棺師」による「湯灌」、「お化粧」、「お着換え」とは異なり、故人様が生前に治療で使っていた医療器具類の取り外しや、それに伴う傷口などの処置やケアと、簡易な清拭(綺麗に拭くこと)などが主です。

 

病院によっては「納棺師」による「湯灌」、「お化粧」、「お着換え」に近いところまでやってくれるところもあるようですが、別途治療費に「ケア費用」として上乗せされるケースもありますので、「エンゼルケア」が必要かどうかを聞かれた際は、病院へ費用の確認を行ってください。

 

花葬の場合
花葬では、専門の「湯灌師」によって「湯灌の儀」と「納棺」を行います。葬儀を迎えるに当たっての大切な儀式ですので、ご遺族にはできるだけご同席ください。

※「湯灌の儀」と「納棺」に関するお問合せ、ご質問はこちらまで!

3.お棺の中に入れられる副葬品

故人様を納めるお棺の中に、故人様が生前にご愛用されていた品々(愛用品や食べ物などが一般的)を一緒に納める事が出来るのですが、その品々の事を総称して「副葬品」と呼びます。「副葬品」を入れる理由は、故人様があの世でも現世と変わらず過ごせるようにという願いが込められています。

 

ただし、お棺に入れられるのは「可燃物」に限定されていますので注意が必要です。故人様が愛用されていたからといって、何でも入れて良いという訳ではありません。どうしても入れたい副葬品があれば、事前に葬儀社のスタッフに確認することをお勧めします。

1)お棺に入れられない副葬品

お棺の中に入れられる「副葬品」は、火葬場や地域によって様々ですが、一般的にお棺に入れられない代表的な「副葬品」には以下の物が挙げられます。

 

●不燃物(金属製品、陶磁器、ガラス製品など)

●お骨を汚す恐れのある物(プラスチック製品、ゴム製品など)

●破裂や爆発の可能性がある物(ペースメーカー、乾電池、スプレー缶、ライターなど)

●燃えにくい物(厚い物、大きい物、重量のある物、水分の多い食べ物など)

●火葬装置の故障につながる物(ゴルフクラブなどの用品、カーボン製品など)

●公害につながる物(ビニールなどの化学製品、化学合成繊維など)

2)お棺に入れるのを避ける方が多いその他の副葬品

この他にも火葬場のルールで断られる物や地域的に敬遠される物もありますので、やはり葬儀社や火葬場のスタッフに事前に確認しておいた方が良いでしょう。また、禁止されている訳ではありませんが、故人様以外が写っている写真や、「毛皮製品」や「革製品」は(それらを入れると来世に獣として生まれるといった迷信があることから)敬遠される方が多いようです。

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