葬儀・告別式
「葬儀・告別式」は、火葬前の故人様との最後のお別れの儀式です。仏式の場合、(宗派によって多少異なる場合がありますが)僧侶(宗教者)が読経の中で故人に引導を渡し、成仏させる儀式を行います。参列者はご焼香を行い、故人様との最期のお別れを行います。
一般的には「告別式」と言われますが、「葬儀」と「告別式」は厳密には別々のものです。「葬儀」とは、お亡くなりになられた方のご冥福を祈り弔う宗教色の強い儀式を指します。僧侶(宗教者)による、読経を伴う弔いの儀式です。一方、「告別式」の方は、ご遺族・ご親族をはじめ、故人様が生前にご縁のあった方々が最期のお別れをする儀式を指します。弔問客がお焼香を行って故人様と最期のお別れを行う儀式です。
1.葬儀・告別式の受付
火葬の前に行う「葬儀・告別式」は、故人様との最期の別れの儀式です。ここでは「葬儀・告別式」の流れを解説いたします。
「通夜式(お通夜)」の翌日は「告別式」が行われます。ちなみに、「告別式」を行うのは、「一日葬」、「一般葬」だけで、「火葬式(直葬)」の場合は行いません。
「告別式」も「通夜式」と同じく、場合によって参列者をお招きして行いますので、「受付」から始まります。一般的には式開始の1時間前頃から「受付」を開始します。主な役割は、基本的には「通夜式」と同じです。
特に、お香典の受け取りと管理は金銭が絡みますので、誰に依頼するかも含め、注意が必要です。ご親族を含め、よく知った方にご依頼されると良いでしょう。
受付係とその役目
「通夜式」と同様で、受付業務は「告別式」に訪れる弔問客が最初に対面する故人様の関係者であり、複数の役目を担っていることからも非常に重要です。「受付」自体は、喪主様ご本人が行うのではなく、ご親族や故人様と仲の良かったご友人や故人様のお仕事関係の方々などにご依頼することが多いようです。基本的には「通夜式」と同じですが、「受付業務」にどのようなものがあるか掲載しておきます。
【受付の役目】
・弔問客へのご挨拶
・弔問客のお名前の確認と記帳依頼
・お香典の受け取りと管理
・各種案内(トイレ、荷物・コート置き場、喫煙場所など)
・返礼品のお渡しなど
2.開式
弔問客は受付を済ませると告別式会場に入り、着席します。お席は案内係りが誘導しますが、席順は「通夜式」と同じです。葬儀では祭壇側が「上座」です。一般的な席順は次の通りです。
・喪主席・・・祭壇に向かって右側の最前列の一番内側
・ご遺族、親族・・・喪主に続く席
・世話役代表、葬儀委員長など・・・祭壇左側の上座
・ご友人や知人・・・世話役代表、葬儀委員長などに続く席
告別式の開始時間になると僧侶(宗教者)が入場し、葬儀社の司会者により「開式の辞(簡単な挨拶)」があり、告別式が開式します。司会進行は司会者がやってくれますので、喪主様は司会者から誘導があるまで着座したままで結構です。
3.読経・引導
司会者による「開式の辞」が終わると、僧侶(宗教者)による読経が始まります。宗派によって異なりますが、通夜式と同様に、一般的な読経時間は30分~60分程です。読経とともに故人様に「戒名」が授けられ、「引導渡し」と続きます。
戒名と引導
①戒名について
「戒名」は、仏教において、その教義(戒律)を守ることを約束した証としてその信者に授けられた称号ですが、仏弟子としての「位階や性別」を表わす「院号」、「道号」、「位号」を総称して「戒名」と呼んでいます。宗派によっては「法名・法号」と呼ぶこともあります。
また、「戒名」には「位(くらい)」があります。これは俗にいう「上下関係や身分制度」とは違い、故人様が生前に「どれだけ深く仏教を信仰したか」や「地域社会やお寺への貢献度」によって決まるものとされています。
しかし、仏教の教義上には「位」による上下関係は存在せず、「戒名の位が高い=故人様の極楽浄土を保障するもの」でもありません。現代の葬儀においては、あくまで「亡くなった時にいただく名前」ですので、僧侶に故人様の人柄や功績をしっかりお伝えして授けていただくことが肝心です。
②引導について
「引導」は、葬儀の中でも最も重要な儀式であり、亡くなった人をこの世からあの世へ渡すこと、故人様を死後の世界(仏道)へ導く儀式のことです。
宗派によっては「引導」を行わない場合もありますが、僧侶が読経を行うことで故人様が現世で迷うことなくあの世に旅立つための儀式です。現代では「引導を渡す(最終宣告をする意味)」という言い方で使われていますが、元々はここからきています。
花葬の場合 |
花葬では、「通夜式(お通夜)」の当日の流れについて、サポートしながら具体的なアドバイスをさせていただきますので、安心してご利用ください。 |
4.弔辞・弔電
僧侶による「読経」が終わると「弔辞と弔電の読み上げ」を行います。「弔辞」は、生前に故人様と親交の深かった方が担当します。「弔辞」は、必ず行わなければならないというものではありません。あくまで、故人様とのお付き合いの中で、ご遺族が「ぜひお願いしたい」という方にご依頼されると良いでしょう。
また、「弔辞」を複数の方に依頼しても結構ですが、例えば、ご友人、ご近所の方、お仕事関係の方というように、バランス良くご依頼されると良いでしょう。「弔辞」は、読み上げた後はご霊前に向けて壇上にお供えします。
「弔電」は、司会者が代表的なものを数通だけ読み上げ、時間の関係もありますので、全ての「弔電」を読み上げることはしません。残りはお名前だけ読み上げます。「代表的なものを読む」とご説明しましたが、どの方の「弔電」を読み上げるのかは、事前にご遺族がお決めになり、葬儀社(司会者)に伝えます。
5.最後の読経とお焼香
「弔辞・弔電」が終わると、僧侶(宗教者)による最後の読経が始まります。読経の途中からお焼香が始まります。タイミングを見て司会者がお焼香を促す誘導を行いますので、その誘導に従って喪主様、ご親族の皆様、一般の参列者の順でご焼香を進めていきます。尚、ご焼香のやり方や回数は宗派によって異なりますので、ご存じない方は事前に葬儀社のスタッフに確認し、その作法を覚えておきましょう。
6.僧侶の退場・閉式
全ての参列者のご焼香が終わるタイミングを見て読経が終わると僧侶が退場し、司会者が「閉会の辞」を述べます。これで葬儀・告別式は閉式です。
閉式後は、ご遺族やご親族をはじめ、ご友人など親交の深かった方々がお棺の中に「お花」や「故人様のご愛用品や思い出の品」などを納めます。これが故人様とご遺族の最期のお別れです。お別れが終わったら葬儀場から出棺し、故人様を火葬場へとご搬送します。
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